2027年度(令和9年度)の埼玉県公立高校入試から、すべての受検生を対象に面接が実施されます。これまで面接を実施していなかった高校でも新たに導入されるため、学力検査の勉強に加えて面接への準備が必要になります。
「面接では何を聞かれるの?」「My Voiceでは何を話せばいい?」「人前で話すのが苦手でも大丈夫?」と、不安を感じている中学生や保護者の方もいるでしょう。
新しい面接で大切なのは、立派な実績を並べたり、模範解答を暗記したりすることではありません。これまでの経験を振り返り、自分の考えや学んだことを自分の言葉で伝えることです。
この記事では、埼玉県教育委員会の公式情報をもとに、2027年度入試の面接の仕組みや評価のポイント、My Voiceの準備方法、想定される質問と具体的な対策について解説します。
目次
2027年度から埼玉県公立高校入試の面接はどう変わる?
すべての受検生に面接が実施される
2026年度までの埼玉県公立高校入試では、面接を実施するのは一部の高校・学科に限られていました。
しかし、2027年度入試からは、すべての高校で全受検生に面接が実施されます。
面接形式は高校によって異なり、「個人面接」または「集団面接」のいずれかです。自分の志望校がどちらを採用するかは、埼玉県教育委員会が公表している各高校の「選抜実施内容」で確認できます。
また、面接の配点も高校や選抜方法によって異なります。志望校の面接が入試全体でどの程度の割合を占めるのか、事前に確認しておきましょう。
面接の日程と当日の流れ
2027年度入試の主な日程は、次のとおりです。
- 出願期間:2027年1月26日~2月9日
- 学力検査:2027年2月25日
- 面接:2027年2月26日
面接当日は、次の流れで進められます。
- 入室
- My Voice(1分30秒~2分程度)
- 質問・応答(3分30秒~6分程度)
- 退室
面接は、最初に受検生が自分の考えを話し、その内容などをもとに面接委員が質問する形式です。
学力検査の翌日に実施されるため、直前に慌てて準備するのではなく、余裕を持って練習しておくことが大切です。
面接で重視される評価のポイントとは?
埼玉県教育委員会は、面接における共通の評価の観点として、次の2つを示しています。
① 主体的・協働的な学びの力
自分から学ぼうとする意欲や、周囲の人と協力しながら取り組む姿勢などに関する観点です。
例えば、苦手な教科を克服するために工夫した経験や、学校行事で友達と協力して取り組んだ経験などが、自分自身を振り返る材料になります。
② 自らの人生や社会の未来を切り拓く力
これまでの経験を踏まえ、今後の目標に向かって主体的に取り組もうとする姿勢などに関する観点です。
高校で挑戦したいことや将来への目標だけでなく、そう考えるようになった理由を整理しておくとよいでしょう。
また、高校によっては独自の評価項目が追加されます。
重要なのは、活動の実績そのものではなく、取り組んだ過程や意欲、そこから身につけた力などが評価されるという点です。
部活動で大会に出場した経験も、勉強が苦手で努力を重ねた経験も、自分が何を考え、どのように行動したのかを振り返ることが大切です。
My Voice(マイボイス)では何を話せばいい?
My Voiceは自分の経験や考えを伝える時間
My Voiceとは、面接の冒頭に設けられる1分30秒~2分程度の自己表現の時間です。
中学校生活や学校外での経験を振り返り、努力したこと、学んだこと、高校入学後に取り組みたいことなどを自分の言葉で伝えます。
話す内容に決まった正解はありません。
例えば、次のようなテーマが考えられます。
- 勉強で苦手を克服するために努力したこと
- 部活動を通して学んだこと
- 学校行事で友達と協力した経験
- 失敗した経験と、そこから学んだこと
- 高校生活で挑戦したいこと
特別な実績がなくても問題ありません。身近な経験の中から、自分が成長したと感じられる出来事を探してみましょう。
My Voiceの話し方の具体例
例えば、「数学の勉強を頑張った」という経験を話す場合、次のように内容を組み立てられます。
① 取り組んだこと
「私は中学校生活で、苦手だった数学の克服に力を入れました。」
② 具体的な行動
「最初は問題が解けないことが多かったのですが、間違えた問題を繰り返し解き直すことを続けました。」
③ 経験から学んだこと
「その結果、以前より解ける問題が増え、苦手なことでも諦めずに取り組む大切さを学びました。」
④ 今後に生かしたいこと
「高校でも、難しいことに直面したときは、すぐに諦めず努力を続けたいです。」
これはあくまで構成例です。実際には、自分の経験に合わせて具体的な出来事や考えを加えてください。
また、My Voiceは自己評価資料と必ずしも同じ内容にする必要はありません。
最初は文章にまとめても構いませんが、最終的には原稿を一言一句覚えるのではなく、話す順序や重要なポイントを押さえて練習しましょう。
自己評価資料の書き方と面接への活用方法
2027年度入試からは、すべての受検生が出願時に「自己評価資料」を提出します。
自己評価資料とは、自分のこれまでの経験や努力したこと、将来取り組みたいことなどを記入する資料です。
この資料自体が直接得点化されるわけではありません。しかし、面接委員が質問を考える際の参考資料となるため、面接対策とあわせて準備する必要があります。
自己評価資料を作成する3つのポイント
1.具体的な経験を書く
「部活動を頑張った」だけでなく、どのような目標を持ち、何に苦労し、どのように取り組んだのかを整理します。
2.経験から学んだことを書く
結果だけで終わらせず、その経験を通じて気づいたことや成長したことを考えましょう。
3.高校生活とのつながりを考える
身につけた力を高校生活でどのように生かしたいのかを考えると、自分の考えを整理しやすくなります。
なお、志望校によっては「学校独自項目」が設けられています。該当する場合は、その内容についても記入が必要です。
自己評価資料を書き終えたら、記載した内容について「なぜそうしたのか」「どんな工夫をしたのか」と質問されたときに答えられるか確認しておきましょう。
埼玉県公立高校入試の面接で想定される質問例
新しい面接では、My Voiceや自己評価資料で伝えた内容について、さらに詳しく質問されます。
以下は練習用の想定質問です。実際に出題される質問が決まっているわけではありません。
中学校生活や努力についての質問
- 中学校生活で最も力を入れたことは何ですか?
- その活動に取り組もうと思った理由は何ですか?
- 大変だったことを、どのように乗り越えましたか?
- 友達と協力するときに意識したことは何ですか?
- 失敗した経験から、どのようなことを学びましたか?
自分自身についての質問
- 自分の長所は何だと思いますか?
- その長所が生かされた経験を教えてください。
- 苦手なことに対して、どのように取り組んでいますか?
- 最近、自分が成長したと感じたことは何ですか?
高校生活や将来についての質問
- 高校に入学したら挑戦したいことは何ですか?
- そのことに興味を持った理由は何ですか?
- 中学校で学んだことを高校でどう生かしたいですか?
- 将来、どのようなことに取り組んでみたいですか?
質問への回答では、結論を簡潔に伝えたうえで、理由や具体例を説明すると分かりやすくなります。
例えば「友達と協力して頑張りました」と答えた場合、「具体的にどのような役割を担当しましたか?」と聞かれるかもしれません。
最初の回答だけでなく、その内容をさらに掘り下げられたときにも説明できるようにしておくことが重要です。
面接対策はいつから?効果的な練習方法
① まずは中学校生活を振り返る
面接練習を始める前に、中学校3年間で取り組んできたことを振り返りましょう。
勉強、部活動、委員会、学校行事、習い事、家庭での経験など、思い浮かぶ出来事を書き出します。
その中から、自分が努力したことや考え方が変わった出来事を選び、当時の気持ちや行動を整理すると、話す内容を考えやすくなります。
② My Voiceを実際に声に出して練習する
話す内容が決まったら、実際に時間を計って練習しましょう。
埼玉県教育委員会が示している目安は1分30秒~2分程度ですが、時間の長短そのものが評価されるわけではありません。
最初は時間内に収めることよりも、自分の考えを分かりやすく伝えることを優先し、慣れてきたら目安の時間に近づけていきましょう。
③ 質問への受け答えを練習する
My Voiceだけを練習して終わりにせず、その内容について質問してもらうことも大切です。
学校の先生や家族などに面接委員役をお願いし、「なぜ?」「どのように?」「そこから何を学んだ?」と質問してもらいましょう。
毎回同じ質問に答えるのではなく、質問の順番や聞き方を変えて練習すると、自分で考えて答える力を養えます。
④ 入退室や基本的なマナーを確認する
面接では、自分の考えを伝えることに加えて、落ち着いて受け答えできるよう準備しておくことも大切です。
入退室の方法、挨拶、姿勢、聞き取りやすい声の大きさなどを確認しましょう。
ただし、形式的な動作ばかりを気にしすぎる必要はありません。面接の中心は、自分の経験や考えを伝えることです。
面接が苦手な人が知っておきたい注意点
うまく話せなくても大丈夫?
埼玉県教育委員会は、面接について、話し方の上手さや正確さを評価するものではないと説明しています。
人前で話すのが苦手でも、必要以上に心配することはありません。
質問されたときにすぐ言葉が出てこなくても、焦らず考えてから答えましょう。自分の考えを丁寧に伝えようとすることが大切です。
部活動の実績や資格がなくても大丈夫?
大会での入賞や資格取得などの実績がなくても、面接で伝えられることはあります。
日々の学習を継続した経験や、友達との関わりの中で学んだことなども、自分の成長を振り返る材料になります。
一方、実績がある場合も、その結果だけでなく、そこに至るまでの努力や工夫を説明できるようにしましょう。
面接対策ばかりに時間をかけてもいい?
面接は新しく導入される重要な選抜資料ですが、学力検査や調査書も引き続き合否判定に用いられます。
そのため、面接対策に時間をかけすぎて、5教科の受験勉強がおろそかにならないよう注意が必要です。
まずは自己評価資料とMy Voiceの内容を整理し、受験勉強の合間に少しずつ声に出す練習を取り入れるとよいでしょう。
まとめ|面接対策は自分の経験を振り返ることから始めよう
2027年度からの埼玉県公立高校入試では、すべての受検生に面接が実施されます。
対策の中心となるのは、自己評価資料の作成、My Voiceの準備、質問への受け答えの練習です。
特別な実績や流暢な話し方が求められるわけではありません。これまでの経験を振り返り、なぜ取り組んだのか、何を学んだのか、これからどう生かしたいのかを整理することが重要です。
志望校の選抜実施内容を確認し、学力検査の勉強と両立しながら、計画的に準備を進めましょう。
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