[最新版]埼玉大学教養学部 学校推薦の小論文対策

[最新版]埼玉大学教養学部 学校推薦の小論文対策

埼玉大学の看板学部でもある教養学部の学校推薦型選抜で実施される小論文の傾向と対策について、サクセス未来塾の大学受験部長が解説をしていきます。

埼玉県唯一の国公立大学である埼玉大学の教養学部は、60年もの歴史をもつ埼玉大学の看板学部です。

2025年度入試の学校推薦型選抜では、志願倍率4.2と埼玉大学の学校推薦型選抜で最も倍率が高くなりました。

また、出題される小論文の課題文についても
「多様な文化や価値観を理解する」
「自ら問題を設定し、解決する能力を高める」

といった埼玉大学教養学部の「教育の目標」に合わせた、受験生には非常に難易度の高い出題となっています。

こちらの記事では、公開されている学校推薦型選抜の小論文の過去問をもとに、埼玉大学教養学部の学校推薦型選抜の小論文の傾向と対策について紹介していきます。

この記事を読むとわかること

埼玉大学教養学部の学校推薦の

  • 小論文の出題形式がわかる
  • 小論文の出題意図がわかる
  • 小論文の出題の傾向がわかる
  • 小論文の対策の方法がわかる

埼玉大学教養学部の学校推薦の小論文では90分で1200字~1300字を書かなくてはならない!

埼玉大学教養学部の学校推薦型選抜の小論文出題形式

埼玉大学教養学部の学校推薦の小論文の出題は、

  • 試験時間は90分
  • 設問は3題
  • 設問1と設問2は内容の要約や課題文の理解を確認するための出題(それぞれ60字〜150字以内)
  • 設問3は課題文の内容を踏まえて自分の考えをまとめる出題(1000字以内)

となっています。

課題文については年度によりますが、1700字程度の課題文が提示されます。

受験生が1700字の課題文を読むのに必要となる時間は5分〜10分と想定されます。

この課題文を読んだ上で、3題の設問に回答していかなくてはなりませんので、
試験時間90分は非常にタイトです。

埼玉大学教養学部の学校推薦の小論文で求められるのは「自ら問題を設定して論理的に考察し、表現する能力」

埼玉大学教養学部のアドミッションポリシーには以下のような項目があります。

埼玉大学教養学部のアドミッションポリシー
目指している知識の修得、能力の獲得)

自ら問題を設定して論理的に考察し、表現する能力

埼玉大学教養学部HP アドミッションポリシー(教養学部では、次のような知識の修得、能力の獲得を目指した教育を行います。)より抜粋

埼玉大学教養学部の学校推薦型選抜の小論文ではこの能力を見ています。

そのため、単なる知識の暗記ではなく、90分という限られた時間の中で、提示された設問に対して論理的に考察し、1200字〜1300字で表現できる能力が見られているのです。

埼玉大学教養学部の学校推薦での小論文の出題は
「現代社会に対する問い」

埼玉大学教養学部の教育の目標

埼玉大学教養学部の教育の目標は

  1. 広い学識を身につける
  2. 専門分野の学問を深く学ぶ
  3. 多様な文化や価値観を理解する
  4. 自ら問題を設定し、解決する能力を高める
  5. 表現力・情報発信能力を高める
埼玉大学教養学部HP 「教育のかたち」(学部概要)より抜粋

以上の5つとなっています。

これらの教育の目標を踏まえているため、埼玉大学教養学部の学校推薦型選抜の小論文で扱われる課題文のテーマは非常に幅広くなっています。

埼玉大学教養学部の学校推薦型選抜の小論文出典・テーマ

2019年度から2024年度の学校推薦型選抜・推薦入試での小論文の題材とテーマは以下のようになっています。

年度課題文(著者・書名)テーマ
2024森毅『はみだし数学のすすめ』健康観と社会の多様性
2023バリー・ロペス『極北の夢』自然観と所有の概念
2022古谷嘉章『人類学的観察のすすめ』モノの価値と文化
2021菅野仁『友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える』現代社会における人間関係と共同性の変容
2020田中克彦『ことばと国家』母語と母国語の関係、多文化共生
2019ロバート・B・ライシュ『暴走する資本主義』資本主義と民主主義の緊張関係

以上のように、社会科学・人文科学・自然科学の分野から、幅広く出題されているのが特徴です。

しかし、いずれも現代社会の課題を扱っているものとなっています。

そのため、特定の分野について対策をしておくということは不可能ですが、現代社会におけるさまざまな課題に日頃から関心を持っておくことは重要です。

埼玉大学教養学部の学校推薦での小論文の試験での時間配分は15分・15分・60分

90分という試験時間で全ての設問に質の高い回答を作成するのは、決して簡単ではありません。

そのため、90分の効果的な使い方を参考までに紹介します!

課題文の読解(約10〜15分)

約1,700字の課題文は、単に目で追うだけでは不十分です 。2024年度の文章のように、著者の独特な哲学や逆説的な論理(例:「『みんな、なかよく』が、いじめの原因」)を正確に理解するには、繰り返し読んだり、重要な部分に印をつけたりする批判的な読解が不可欠です。  

短文記述(2問で約15〜20分)

問一・問二(それぞれ60字〜150字以内)

傍線部の意図を本文全体の趣旨から読み解いたり、著者の主張を、本文の複数の箇所から拾い集めて、論理的にまとめる必要があります 。

下書きと字数の調整に時間が必要となるので注意しましょう。  

長文論述(約50〜60分)

この設問が最も時間が必要となります。

1000字の論述を完成させるステップは以下の通りです。

聞かれていることを正確に把握する

課題文の中での筆者の意見を理解することだけでなく、設問で聞かれていることを正確に把握することも大切です。

小論文の演習をしているときに、「聞かれたことに答えていない」ということはよくあります。

そのため、「聞かれていることは何か」を正確に把握して、「自分の考え」をまとめましょう。

構成を考える

聞かれていることがわかったら、すぐに第一段落を書き始めるというのはやめましょう!

全体の構成(論理の流れ)をまとめずに書き始めると、論理が破綻した論述になることがよくあります。

また、最初に「主張」を考えた場合も論理が破綻しやすいです。

まずは、聞かれていることに関する
「具体例」から考えて、それをもとに「主張」や「理由」を考える
ほうが論理的な構成をまとめられます。

「具体例」は自分の考えの根拠になるものなので、これから考えるのが自然です。

構成をもとに論述する

構成をもとにして、1000字の論述を行います。

段落の数としては、4〜5段落が理想的です。

客観的に自分が書いた論述を読んでチェック

自分が書いた論述を客観的に読んでみて、
説得力がある内容になっているか
筋が通らないところがないか
誤字や脱字がないか

などを確認しましょう!

このように、各設問ではそれぞれ違う思考力と技術が必要になってきます。

90分という時間では、各設問でつまってしまうことなく、効率的に進めなくてはならなくなります。

そのための時間管理能力や戦略的思考力を入試までに鍛えましょう!

埼玉大学教養学部の学校推薦での小論文の対策は過去問演習が最適

埼玉大学教養学部の学校推薦での小論文の過去問はWEBで公開されていますが、2023年以前の過去問については課題文が著作権の関係で公開されていません。

しかし、設問の内容から出典のどの部分からの出題なのかは把握ができるため、それをもとにして対策をすることが可能です。

埼玉大学教養学部の学校推薦での小論文は知識を問うものではありません。

与えられた課題文や問いに対して、論理的に説得力のある内容を書けるかが問われています。

サクセス未来塾では、埼玉大学教養学部の学校推薦の対策の指導を期間限定で行なっておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。