2027年度(令和9年度)の埼玉県公立高校入試から、入学者選抜の仕組みが大きく変わります。対象となる最初の学年は、2026年度の中学3年生です。主な変更は、調査書の様式変更、自己評価資料の提出、全受検生への面接、共通選抜・特色選抜の導入、学力検査へのマークシート方式の導入です。
制度が変わると聞くと、「今までと勉強法を変える必要があるのか」「部活動や検定は評価されなくなるのか」「面接対策はいつから始めるべきか」と不安になる人もいるでしょう。
結論からいえば、入試制度は変わっても、日々の授業や定期テストに取り組み、5教科の学力を伸ばすことの重要性は変わりません。ただし、志望校ごとの選抜方法を早めに確認し、自分の経験や考えを言葉にする準備が、これまで以上に重要になります。
目次
2027年度の埼玉県公立高校入試は何が変わる?
2027年度入試の主な変更点は、次の5つです。
- 調査書の記載内容が整理される
- 全受検生が「自己評価資料」を提出する
- 全ての学校で全受検生に面接を実施する
- 「共通選抜」と「特色選抜」という仕組みになる
- 学力検査にマークシート方式が導入される
2027年度入試では、学力検査が2027年2月25日、面接が2月26日に予定されています。特色検査を実施する学校では、3月1日に行う場合もあります。
調査書は9教科の評定が中心になる
新制度では、調査書の記載項目が「各教科の学習の記録(9教科5段階の評定)」と「総合的な学習の時間の記録」に整理されます。これまで調査書に記載されていた特別活動や出欠などの項目は、新制度では同じ形では扱われません。
中1から中3までの評定は引き続き重要
「3年生になってから頑張ればよい」というわけではありません。
共通選抜では、中1・中2・中3の9教科の評定を使い、高校ごとに「1:1:1」「1:1:2」「1:1:3」のいずれかの比率を設定します。さらに、算出した調査書の基本点を200点・300点・400点のいずれかに換算します。
つまり、同じ評定でも志望校によって重みが変わります。中3の評定を重視する学校もありますが、中1・中2の評定も選抜資料になるため、早い学年から定期テストや学校での学習にしっかり取り組むことが大切です。
部活動や検定が「意味のないもの」になるわけではない
部活動、生徒会、委員会、校外活動、資格取得などの実績が、以前のように調査書の項目として直接評価される仕組みではなくなります。
しかし、それらの経験は自己評価資料や面接で振り返る材料になります。大会で入賞した、英検に合格したという事実だけを並べるのではなく、「なぜ取り組んだのか」「どのように工夫したのか」「その経験から何を学んだのか」を説明できるようにしておくことが大切です。
全受検生が自己評価資料を提出し、面接を受ける
2027年度入試からは、全ての受検生が出願時に「自己評価資料」を提出し、全ての学校で個人面接または集団面接を受けます。
自己評価資料には、これまで力を注いだことや努力したこと、高校入学後や将来取り組みたいこと、自己PRなどを自分の言葉で記入します。高校によっては、学校独自の項目が設定される場合もあります。
なお、自己評価資料そのものは得点化されません。文章量や字の上手さを競う書類ではなく、面接で受検生について理解するための参考資料として使われます。
面接は「My Voice」から始まる
面接では、最初に「My Voice(マイボイス)」という自己表現の時間があります。目安は1分30秒から2分程度です。その後、My Voiceや自己評価資料の内容を参考にした質問・応答が行われます。
My Voiceに正解はなく、一言一句を暗記する必要もありません。話すことが得意かどうかよりも、自分の経験を振り返り、自分なりに考えたことを自分の言葉で伝えることが大切です。
そのため、受験直前に模範回答を丸暗記するだけの対策はおすすめできません。
普段から「今回のテスト勉強で工夫したこと」「部活動でうまくいかなかったときにどうしたか」「学校行事を通して何を学んだか」などを短く振り返る習慣をつけておくと、自己評価資料や面接の準備につながります。
「共通選抜」と「特色選抜」で高校ごとの違いが大きくなる
新制度では、「共通選抜」と「特色選抜」が設けられます。
共通選抜
共通選抜では、学力検査、調査書、面接を資料として、県教育委員会が定めた方法に沿って得点を算出します。
学力検査は5教科各100点の合計500点満点です。調査書と面接については、県教育委員会が定めた範囲から各高校が配点や扱いを設定します。
特色選抜
特色選抜では、学力検査、調査書、面接を、高校・学科・コースの特色に応じて各高校が設定した方法で扱います。
必要に応じて特定教科を150点や200点にする傾斜配点を行ったり、実技検査、作文・小論文などの特色検査を実施したりすることもできます。
高校によって、共通選抜のみ、特色選抜のみ、両方を組み合わせる場合があります。
そのため、「偏差値が同じくらいだから入試対策も同じ」とは限りません。
志望校が決まってきたら、埼玉県教育委員会が公表している各高校の「選抜実施内容」を確認し、学力検査・調査書・面接がどのように扱われるのか、傾斜配点や特色検査があるのかまで確認することが重要です。
学力検査はマークシート方式が中心になる
2027年度入試から、学力検査にマークシート方式が導入されます。
得点換算では、マークシート方式の問題が9割程度、記述式の問題が1割程度となります。また、国語の作文は出題されません。
ただし、「マークシートになるから簡単になる」と考えるのは適切ではありません。
マークシート方式になっても、出題の基本方針や難易度が大きく変わるわけではありません。基礎的な知識・技能だけでなく、知識を活用して考える力、判断する力、表現する力を見ることも引き続き重視されます。
さらに、記述式問題がなくなるわけではありません。
普段の勉強でも、答えだけを覚えるのではなく、「なぜその答えになるのか」を説明できるところまで理解しておくことが大切です。
中学生が今から準備するべき5つのこと
1.9教科の評定を意識する
新制度でも、中1から中3までの9教科の評定が調査書得点の土台になります。
主要5教科だけでなく、音楽・美術・保健体育・技術家庭も含めて取り組むことが重要です。
定期テストだけでなく、課題や授業への取り組みなど、それぞれの学校の評価基準を確認しながら、日頃の学習を安定させていきましょう。
2.5教科の基礎学力を早めに固める
制度が変わっても、国語・数学・社会・理科・英語の5教科の学力検査は引き続き実施されます。
特に中1・中2の内容に苦手単元が残っている場合は、受験勉強が本格化する前に戻って復習しておきましょう。
マークシート形式への対策以前に、教科書レベルの知識を正確に理解し、標準的な問題を自力で解ける状態をつくることが先です。
3.自分の経験を「言葉にする」習慣をつける
自己評価資料や面接のために、特別な実績を作る必要はありません。
勉強、部活動、委員会、学校行事、習い事など、普段の生活の中にも面接で振り返ることのできる経験はあります。
「何をしたか」だけではなく、「なぜ始めたか」「困ったことは何か」「どう工夫したか」「何を学んだか」をセットでメモしておくと、後から自己評価資料やMy Voiceを準備しやすくなります。
4.志望校の「選抜実施内容」を確認する
新制度では、高校・学科・コースによって、調査書の学年比率、面接の配点、特色選抜の有無、傾斜配点、特色検査などが異なります。
学校説明会や県教育委員会の資料で、志望校が何を重視するのかを確認しましょう。
偏差値や倍率だけでなく、「自分の学力や内申、得意教科がどのように評価される入試なのか」という視点で選抜方法を見ることも、これからの志望校選びでは大切になります。
5.マークシート形式に慣れておく
本番では、問題が解けてもマーク位置をずらしたり、解答番号を間違えたりすれば得点につながりません。
模試やマークシート形式の問題を利用し、問題を解くことと同時に、解答番号を正確に確認してマークする練習もしておきましょう。
一方で、記述問題も残ります。マークシートだけに偏らず、途中式や理由を書く練習も続ける必要があります。
2027年度入試で大切なのは「特別な対策」より日々の積み重ね
2027年度の埼玉県公立高校入試は、制度だけを見ると大きく変わります。
しかし、中学生が行うべきことの中心まで大きく変わるわけではありません。
学校の授業を理解すること、定期テストに向けて計画的に勉強すること、9教科の評定を大切にすること、苦手単元を残さないこと。そして、自分が取り組んできたことを振り返り、自分の言葉で説明できるようにしておくことです。
一方で、新制度では学校ごとに選抜方法や配点が異なるため、志望校について早めに調べる重要性は高まっています。
まずは志望校の選抜実施内容を確認し、自分に必要な準備を整理したうえで、毎日の学習を積み重ねていきましょう。
にっさい花みず木で塾をお探しの方へ
埼玉県公立高校入試の制度変更に合わせて、受験勉強や内申対策をどのように進めればよいか迷っている方もいるでしょう。
サクセス未来塾にっさい花みず木校では、定期テスト・内申対策と、高校入試本番に向けた学力・得点力の向上を両立した高校受験指導を行っています。
新制度を踏まえた学習の進め方や志望校選びについて詳しく知りたい方は、教室ページもご覧ください。
